一人ぼっちという生き方 世間と乖離して生きる

思いついたことを書きますので悪しからず

私が自死するまでのリアルな20日間(自殺シミュレーション5日目)

5日目

 

目が覚めるとやっぱり吐き気と腹痛が酷い。それでも今日だけ頑張れば4連休である。なんとか、最低限の仕事を終わらせるしかない。

 

いつものように吐き気と腹痛をこらえて電車に乗り、会社へと向かう。気のせいだろうか。吐き気は少しづつ減っていくが、腹痛は一歩進むたびにひどくなっていく。過敏性腸症候群と診断されてからどれだけたっただろうか。

薬もあるが、効いているような効いていないような。結局、薬も気持ち、つまりはストレスに勝てないのだろう。

 

一番乗りだった。まずはログインをして、その間にプリンターの電源、そして書棚のカギを開けていく。

席につき、水を一口。大きく深呼吸をして現状を考える。昨日は昼休み返上、死ぬ気で働いたからか、想像よりも進んでいた。さて、今日も昼休み返上で今から死ぬ気で働けば、今週やらなければならない仕事は確実に終わり、うまくいけば、引継ぎに向けて事業をある程度進めることができるだろう。

 

そんなこんなで仕事をはじめると、ぽつりぽつりと人が来る。朝礼が終わると、なぜか部長に呼び出された。

 

理由は挨拶がなっていない。声が小さいということかと聞くと、自分のもとに挨拶が来ていないとかなんとか。そのあともなんかいろいろ語っていたけど、普通は後から来た人が挨拶をして、先にいる人が返す。

なんで、一生懸命仕事をしている中で、無言で後ろを通ったらしい部長に挨拶をしなければならないのか。挨拶をされてるのに無視したというのならわかる。

だめだ、朝から不愉快な気持ちだ。というか、もうなんだか、こんなしょうもない注意一つで泣きそうになるくらい、死にたくなるくらい自分の精神は不安定らしい。

 

ふと、思う。自分はすごくできる人間ではないけど全力で頑張った。忙しい人がいれば手を貸すようにしてきたし、誰かが残して帰ることはなかった。

事業も最高とはいえないものの、それなりに円滑に進めてきた。では聞きたい。その頑張りは誰が認めてくれるのだろうか。どんなに頑張っても、明らかに仕事にやる気がないが、上の人間に好かれる人が評価をされる。

 

ダメだ、マイナス思考が止まらない。普段なら自分が評価されないこと、ごますりのうまい人間が出世することは、それはそうだと納得できるのに。

もともと不安定な心を部長の軽い注意で揺らぎ、自分を抑えきれなくなっている。少し嫌なことがあると、自暴自棄というか、悪い方にしか考えられなくなる。

 

一旦忘れよう。なんとか仕事に集中しよう。・・・きっと涙を必死にこらえてるからまた、目が赤いんだろうな。ばればれかな。

結局お昼前まではなかなか集中できなかったが、業者とのやりとりをしていくうちに、だんだんと集中モードに入っていった。

 

でも、フラッシュバックするように、誰かに言われた何気ない一言や注意されたしょうもないことが心拍数をものすごくあげる。私はそもそも心拍数は普通のはずなのに、誰かといるときはめちゃくちゃ早くなる。それだけでも、ストレスなのに。

 

なんとか就業時間を超えた。部長がまだ残るのかよ自己管理できてないなと言ってきたので、お疲れさまでしたときっと苦笑いだっただろう顔で言ったら、苦笑が聞こえてきた。挨拶はどうしだんだよ、馬鹿野郎。死にさらせ。

 

また、フラッシュバックしてきたが、必死にこらえて仕事をつづける。今日は誰になんと言われようと2時間30分(職場で許される最大)残業する。

 

もちろん、上司にごちゃごちゃ言われ、またまた嫌な気持ちになり、死にたく、殺したく、なんとも言い知れぬ気持になったが、それでも必死に仕事をし、なんとか辞めるまでにやっておきたい仕事の最低限の目途にたどり着く道筋が見えるまで進めることができた。

 

今日は電車に乗らずに家に帰ることにした。徒歩だと1時間30分程度。普段は絶対に歩かないが今日くらいはいいだろう。

今日あった嫌なことに対し、頭のなかで精一杯正当化を繰り返した。それでも来週の出勤時は部長やその上の人間には挨拶に行かなければいけないと思うと気が重い。まぁ仕方がない。どうしようもない。今は忘れよう。

 

そんなことより、明日のことで。下見だ。明日は公共交通機関を使って3か所下見をしたい。明後日は原付でだ。

早めに家を出て、ちゃんと確認しておかないと怖い。

帰り道でファミレスによることにした。そこで、ドリンクバーと今日最初でさいごのご飯を頼んだ。

ご飯をあっという間に食べ終わり、ゆっくりと検索する。

マップと乗り換え案内を駆使し考える。ついつい安い道で考えてしまうと、最寄り道から目的地までの移動時間を考えると、なかなかに厳しい日程だった。

後ろ髪をひかれる気持ちもあるが、特急を使えば、比較的余裕をもって、移動できる。

朝6時30分発の電車に乗ることにしよう。仮に早く起きれればもっと早く、遅くなってもまぁ、時間的には余裕がある。運がよければ、残り2か所も見れるかもしれない。その場合は、帰りは12時を超えるが、次の日もその次の日も休みだ。まぁその日の体力によるとしよう。

 

何にしても、金曜日と比べれば気は楽だ。財布さえあればあとは着の身着のままでも構わない。金曜日は3か所かつ原付と考えれば、10時過ぎに出ても余裕だ。まぁ。慌てずゆっくり行こう。

 

少し軽くなった気持ちで店をでるとふと思った。冷静になってもやっぱり死にたい。死ぬために行動することに罪悪感がないどころか、ここ最近で一番生き生きしている自分がいる。

 

ふと、夜空を見上げる。別に詩的なことがこぼれるわけでない。涙もこぼれない。ただ、もうすぐ楽になれるという気持ちと、死ぬことへの恐怖が入り混じっていた。