一人ぼっちという生き方 世間と乖離して生きる

思いついたことを書きますので悪しからず

私が自死するまでのリアルな20日間(自殺シミュレーション2日目)

2日目:死に場所を決める

 

ただただ疲れていたのだろうか、気を張っていたのだろうか。起きたら深夜の3時だった。仕方なくもうひと眠りしたが、朝の5時。ある意味規則正しくなってしまった。

 

大きく一つあくびをして現状を振り返った。一晩寝るとやっぱり死のうという気持ちが少し色あせてくる。でも、すっと息を吐き、明日から仕事であること、これからの未来、これまでの人生を振り返るとどうしようもなく死にたくなる。朝一から発狂しそうになる。

 

出そうになる叫び声を必死にこらえて、大きく深呼吸をした。

死に方は決めた。なら、ある意味で最も問題になる死に場所だ。

家の中では死ねない。無関係な大家さんにどれほど迷惑がかかるだろうか。隣や下の部屋の人も何とも住み心地の悪いことだろう。死ぬこと自体迷惑なことはわかっているが、あまりにも申し訳なさすぎる。

だとすればだ。業務用のヘリウムガスを使っていればそれなりに音が出るわけだ。誰にも見られず、さらにある程度音がしても大丈夫でなければならない。

 

第一候補は人のまばらな公衆トイレである。もちろん迷惑なのは当然だが、それでも私人や企業に迷惑をかけるよりも、国や自治体の方がまだましだと考えるからだ。家で死ねばもちろん警察や役所、そして大家、管理会社に迷惑がかかる。もちろん隣・近所にもだ。ただ、公衆トイレならば、少なくとも隣近所には迷惑はかからないことはないだろうが、それでもといったところだ。特に人家から離れたところを選べばましだろう。

 

それなら山奥で死ねと思うかもしれないが、山というのもなかなかややこしい。私有なのか公有なのかが判断つかない。ついたとしても、見つからなければ失踪となってしまい、捜索に無駄な金もかかる。

 

行き詰ってきたので、お得意のネットサーフィンだ。崖とか樹海とか。これは死に方によってはいいかもしれないが、ヘリウムガスで死のうとしている人間には良いとはいいがたい。

そこで、ふと目にしたのが廃墟だ。なるほど。よくよく考えたら綺麗なところで死にたいわけでもないし、あとは壊すだけのところなら迷惑はさらに小さくなる。

 

調べてみると、自治体所有の建物でも取り壊しや耐震補強工事の予算を捻出できず放置されているものが多々あるようだ。ちょっと安心した。死に場所というのは存外難しいからだ。

立ち入り禁止の廃墟の来る普通の人間はいない。いるとすれば、それは不法侵入している脱法者なのだから、死体を見てトラウマになったとしても、まぁ仕方ないと言えなくはない。

自治体が放置している建物を必死に探した。

いくら廃墟といっても、やっぱり人が住んでいるところから多少離れていた方がいいだろう。いくつか候補はあるが、どうもどれもあと一歩しっくりこない。

なんとなく、その中で第一、第2と決めた。

お腹がすいたのでコンビニで食糧調達をし食べることにした。

食べながらもやっぱり心はもやもやしていた。おにぎり片手にまたパソコンに向かう。

ようやく、おっ、となる場所を見つけた。

見た感じ、林というか山というか。その建物は木に囲まれている。でも、ちゃんとその建物へは一本道となっているようだ。それでいて、そこはしばらく放置されているのか、その一本道は草が生い茂っている。もちろん、人が歩ける程度だが。

 

その建物の住所を調べ、マップで検索をしてみた。どうやら住宅地から1キロ程度は離れているようで、おそらく昔は子供達を集めて自然教室でも開いていたのだろうと予想される。

しかし、少子化の現代、その村だか町からは人が減り、そのまま放置されることになったのだろう。

その村だか町だかは限界集落ということでもなさそうだ。2~3時間に一本だが電車も通っている。その駅から建物までは1時間ちょっとくらい。マップではそのようにでるが、どうも多少の高低差もあるようなので2時間見ておくことにしよう。

 

一か所良いところがみつかると、うそのようにいいところが見つかりはじめた。やっぱり一番最初に見つけたところがよかったが、2、3番手もまったくもって悪くなさそうだ。

ビビりな私は主力3か所と、念のため2か所をスクショした。

気が付くと夕方でそらは赤くなっていた。

 

流石に頭が痛くなってきたので、ショボショボな目で散歩をすることにした。明日から会社だと思うと涙があふれそうになる。

 

忘れようと強く頭を2度横に振り、また考えはじめた。あの3か所は間違いなく良い場所だ。でも、念のために下見をしたい。そのためにはどこかで有休をとりたい。今まで仕事できないやつが有休をとるのが申し訳なくてほとんどとれていなかった。勇気を振り絞ってとろう。可能であれば2日間とってやろう。うん。

 

休めると思うと少し心が軽くなる半面、有休を切り出さなければならないことを考えると緊張で心臓が高鳴った。

 

ふと、思った。時間はどうしうようか。下見はまぁ、適当でいいだろう。別にさっと行ってさっと帰るだけ。人も通らないだろうし、通ったとしてもまぁ、はじめて見る顔だな、怪しいなくらいにしか思わないだろう。その日はすぐに家に帰るわけだから、通報ということもあるまい。

 

でも、死ぬときは難しい。もしもその建物に入っていくところを見られ、出てこないことがばれたら。中途半端に怪しまれ、通報されたらどうしようもない。

とくにそれが変に真夜中に車がとおり怪しい奴が廃墟に入っていったら気持ち悪くて仕方がないだろう。

 

ならば、だ。もっとも人通りが少ないと予想されかつ出歩いていても怪しくない時間。通勤時間帯を避け、10時~15時までだろう。ただ、午後の微妙な時間になると子供の送迎といったことも考えられる。ならば、逆に午前中。10時~11時くらいにしてみるのもいいかもしれない。

 

いや、でもこの村だか町だかはおそらく農業従事者が多いと思われる。とすると、農作業の時間帯を避けるべきだ。農作業をしない時間帯。昼時を狙うことにしよう。

 

そしてそこまでたどりつく道だ。私は車が運転できないので行くとすれば自転車が電車か徒歩だ。ただ家から50キロは離れていることを考える。

そういえば、業務用のヘリウムガスをもっていかなければならない。しかも二つもだ。一つは下見の時にもっていっておいてきてしまおう。たぶん隠す場所くらいはあるだろう。

 

となると、やっぱり徒歩は無理。というか電車だとしても駅から2時間近い道を重い荷物をもって歩かなければならない。タクシーも使えない。大きな荷物をもって自転車に乗ったらもっと危険で、田舎道に入る前に職質される可能性もある。

 

2時間歩く。重い荷物があることを考えると台車を使うことになる。大きな音を立てて転がすわけにもいかない。・・・仕方があるまい。10年以上運転していないが一応免許は持っている。原付を買おう。荷物は背負う形でなんとか頑張る。

まぁ、行きだけだし、不可能ということもあるまい。基本は田舎道でだれもいないわけだから、ちょいちょい休憩をはさみながら頑張るとしよう。

 

そういうわけで善は急げ。近所のバイク屋で原付を買った。中古で5万円でなんだか見た感じ馬力がありそう。原付がなんなのかすらよくわかっていないが、買うことにした。カード持っててよかった。

 

といっても原付になど乗ったことがない。少し練習した後に初めは荷物を持たずに下見に行こう。そのあとにもう一度荷物を持っていこう。・・・なんか何をしているんだろうか。すごい労力を使っているような。

 

ばかばかしくて笑えてきたけど、一生懸命考え没頭するこの時間は言うほど嫌いではなかった。

運転するのは怖かったので、ひとまず家まで押して帰った。

そして風呂に入り、眠れもしないのに布団に入り、目をつむり死ぬことと明日の会社のこと、有休を切り出すイメトレを延々と繰り返していた。

 

2日目:死に場所仮決定

自治体所有の廃墟。住宅からはほど遠く、人目も少なそう。家から50キロ以上離れている。

原付購入(要練習!!)